校長室よりFrom The Head Teacher
誰もが勇んで向かいたくなる安心・安全な学校を目指して
令和4年度は、全校児童121名、教職員22名(常勤職員13名)でスタートしました。
本年度の学校教育目標は「心豊かで たくましい坂部の子」、重点目標は「夢中になって ともに取り組む子」です。
令和元年度までは、自己肯定感を高めるために「自己のよさ」に視点をあて、よさ見つけや称揚といった教育活動を進めてきました。そして、令和元年度からは、本校児童の課題である「主体性」を身に付けさせたいという願いから、重点目標を「夢中になって取り組む子」としました。物事に「夢中」になって取り組むことで、更に次への主体的な態度につなげたいと考えたからです。実際に授業では、「夢中」になって取り組ませるための手立てとして、子供から出された問いを学習問題として提示することで意欲につなげていきました。また、行事等では、子供の実態や思いから「夢中」になるための支援の工夫に努めました。これにより、様々な場面で子供たちの「夢中」の姿が見られるようになり、それが自主性へとつながったのです。しかし、学校評価結果や児童の実態を見たとき、以下のような課題が明らかとなりました。
<令和3年度本校児童の課題>
・やることが明確になれば一生懸命に取り組めるが、主体的に取り組んだり、粘り強く最後まで考えたり、試行錯誤しながら課題解決したりすることの苦手な子が多い。
・相手の考えを反応しながら最後まで聞いたり、それを受け入れ自分の考えを深めたり、相手を意識して自分の考えを堂々と表現したりすることの苦手な子が多い。
そこで、本年度の重点目標を「夢中になって ともに取り組む子」としました。これまで同様、「夢中」になって取り組むことで自主的な姿から主体的な姿へと高めていきたいと考えました。また、これまでの重点目標が個に視点を当てたものであったのに対して他者を巻き込んだ生きる力を育むための「夢中」でありたいという願いから「ともに」を加えたのです。個が夢中になって取り組み、そこから他者に関わり集団としてともに夢中になることで、自己の成長から集団としての成長へとつなげたいと考えたからです。個だけでなく集団としてより大きく「夢中の姿」を捉える視点を重点目標に明記することで、着実に「次代を切り拓く力」の育成につなげたいと考えます。
友達のよさや自他の違いに気付き、それを受け入れることは、集団生活の土台となります。また、自分のよさを知ることで、やってみようとする意欲の基盤ともなります。そこで、これまで行ってきた「よさ見つけ」を継続し意欲の基盤づくりを行うとともに、そこからわき出る「やってみよう」という思い、失敗を恐れず試行錯誤しながら「やり抜く」過程、その「振り返り」、そして自分や友達のがんばりを「認め合う」ことで更に次への意欲につなげるサイクルをつくり、より高く広い「夢中」の姿につなげたいと考えます。